dazai

太宰のゆるゆる生活日記

イケメンとの出会いから得たこと

 

 

 突然の告白になるが、現在、私は出会い系アプリに登録をしている。きっと半数近くの人が「恋人探し」の理由で登録していることであろう。特に男性側のみなさんに対しては、ヤりたい。異性の体を欲している。欲を満たしたい。そんな理由で風俗に行くよりかは安く済む金を払い、出会い系アプリを利用しているのではないかと思っている(私の偏見にしか過ぎないので断定は避けておこう)

 

 相手方の男性に「なんで太宰さんは登録してるの?」と聞かれる度、その真意を語ったことは未だかつて無い。この人は純粋に恋人探しをしているのかもしれない。この人を傷つける可能性が孕んでいるのなら、口を慎むしか無い。幾場面も、そういう思いがあったのだ。

 

 その肝心な真意とは

 ここでは正直に言おう。第一の理由。出会い系アプリでは、男性から気に入ってもらえた証が数字となって現れる。私は、その数字に興味があった。数字が高い程より多くの男性からの認められているということであり、逆に低ければ需要がないということになる。自分には一体、どれ程の価値があるのだろう。単純な興味本位であった。だが、女性の利用者の少数派ではあるかもしれないが、そんな自己満足のためだけに使っている者は、自分だけではないとみている。

 

 そして第二の理由。私は趣味の範囲で小説を書いたりしている。その材料にしたかった。私とは違った性別で、年齢で、育ちで、社会で。違った世界で生きている人間のことを単純に知りたかった。教えて欲しかった。私は未だ世界の一片しか覗いていない。知見を広げたかったのだ。

 

  今まで出会った中で多分一番のイケメン

 その結果、一人の男性と出会った。顔が整ったイケメンであった。話を聞くとモデルもしていたそうで、部屋に遊びに行った際、実際に彼が載っている雑誌も見せてもらった。安定した職に就き、美味しいお店をたくさん知っている、誠実な人だった。完璧な人間に思えた。

 

 そんな彼に、聞いてみた。なぜ貴方みたいな人が、こんなちんちくりんの私と会う気になったのかと。すると彼は真面目に、淡々と、モテる男だからこそ見えてきた真意を語ってくれた。

 

 女は大きく三種類に分けられる。一つは無難型。ディズニー、プラネタリウム、お肉が好きって感じの、楽しいこと大好きってタイプ。そんでもって仕事も無難な事務とか銀行。なんで好きなのかって聞いても薄っぺらい感じ。みんな同じに見えちゃって、その人らしさが見えないんだよね。そして無趣味型。何も趣味がない、なんなら仕事もしてないってタイプ。そんな子と話をしていても何も楽しくないでしょ。以上の二つが割合の大半を占めてるの。そして最後に希少な、自分を持っている、太宰ちゃんみたいな人。太宰が好きなこととか、しろくまについての魅力をこんなに熱く語れるなんて凄いと思った。話しも上手いし、どんどん聞きたくなる。自分が相手に質問しちゃうタイプだから、ちゃんと答えてくれる相手じゃなきゃ困らせちゃうんだ。だから会いたいと思った。誰でもかんでも会わないよ。たくさん女の人から連絡来るし。

 

 最後のひとことには思わずつっこんでしまったが、きっとこれは彼の本音だ。今まで様々な女性の相手をしてきた人だからこそたどり着けた分類なのだ。綺麗な人だからといって魅力的に思えるわけではないという発言には最初半信半疑であったが、経験談を織り交ぜ、何とも信憑性のある論へと、彼は巧みに昇華させてしまった。これがイケメンのリアルなのだと思った。確かに私は、会うと百発百中「変わっている」と言われる人間なので、彼には新鮮に見えたのかもしれない。

 

 私のことを評価してくれたものの、それでも彼と私の関係が進展することはないと思った。彼は私のことを好きにならない。私も恋愛経験が少ないわけではない。悟った。私と彼は、今後もそれなりに会うのかもしれない。それでもただ話をして、テレビを見て、マッサージをし合って、悩みを相談し合うだけで、深い仲になることはないだろう。

 

 プラスになった出会い

 ただ、彼と出会えたことでたくさんのことを知ることができ、考えることができた。私も少しは何かを与えられていたらいいなと思う。決して、いけない出会いではなかった。彼との出会いをきっかけに、いいねの数では心は満たされないということに気付かされた。小説の材料探しは他にいくらでも出来る。程なくして、私はアプリの利用を止めることにした。スマホの容量は軽くなり、何だか気持ちまでも軽くなって、普段は絶対にしないような資格試験の参考書を開く等してしまっている。別の面で評価されたい。女の武器とかそんなの関係なしに、もっと性別関係なしの評価が欲しい。そう思えるようになった。

 

 彼との出会いはプラスになった。彼はいつかきっと、私の物語にひょっこり出てくるであろう。そうして彼は、心安らげる恋をし、幸せな家庭を築く。そうであってほしい。