読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

dazai

ゴッホより普通にアジカンが好っき〜い!

ポムポム

 

 

 「ポムポム」とは、アルバイト先の先輩2人とわたしを含めた3人のグループ名のことである。由来はもちろん、あの某プリン色の愛くるしいキャラクターから来ている。今からおよそ1年程前に、わたしたち「ポムポム」は話の流れからポムポムプリンカフェへ遊びに行くことになり、その際一斉に連絡を取り合えるようにと作ったLINEグループの名前が「ポムポム」である。この安直なネーミングはわたしの仕業であるが、未だに自分たちのことを指す際に「ポムポム」といって通じ合えているのだから、なかなかいい仕事をしたのではないかと我ながら自画自賛してしまう。

 

 その「ポムポム」のメンバーで、4月末パンケーキを食べに行く約束をしていた。先日メンバーのひとりが就職のためバイトを辞めてしまったが、職場の付き合いに留まらず一緒に遊んでくれる先輩がいることは、交友関係の狭い自分にとっては滅多にない幸福のように思う。

 

 しかしメンバーのひとりが他の人にも誘いをかけていたことが判明。今回は「ポムポム」+1の編成で遊びに行くこととなった。

 

 わたしは極悪非道な人間なのかもしれない。その話を聞いた瞬間、少し嫌だなと思ってしまった。自分の大切な空間を、勝手に侵された気持ちになったのだ。わたしにとって今や甘えられる先輩はそのふたりのみ。あとは同期1人にその他後輩という誰にも甘えられない環境。自分が1番先輩たちに可愛がってもらえていると思っていた。なのに、そこに別の人間が入ってきてしまった。パニックだった。+1はわたしの後輩である。先輩としての風格を損なわせないためにもわがままは押し殺し、後輩の参入を渋々受け入れた。

 

 しかし蓋を開けてみれば楽しかった。パンケーキは美味しかったし、「ゴマ団子食べたい!」と駄々をこねる先輩に引き連れられ、食べ歩きの旅に出たのも楽しかった。アツアツの小籠包の汁が飛散し、お口のあたりがべちょべちょになったのも面白かった。みなとみらい線5駅分を歩くのもあっという間に感じるくらい、本当に楽しかった。と同時に、ほんの少しの寂しさを感じた。楽しさを感じれば感じる程、やっぱり拗ねてしまっている頑固な自分がいることに気付かされた。

 

 解散した後、ひとりの先輩に買い物に誘われ、そのままふたりで桜木町に向かった。服をみたり、近しい母の日に向け雑貨屋さんで贈呈品を物色したり、映画館の前で今度この映画を一緒に見に行こうと約束をしたり。

 

 「またこのメンバーで遊びに来ましょうね」と、社交辞令風にわたしが言うと、先輩は「いや」と言った。続けて「ポムポムで遊びに行きたい」とも言った。

 

 もうひとりの先輩がその場の流れで他の人を誘ってしまい、本日の状況に至ってしまったということ。先輩も本当はポムポムだけで遊びに行きたかったけど、言い出せなかったということを教えてくれた。心から素直に「わたしも」の言葉が出た。なんだ。先輩も極悪非道じゃないか。にやにやが止まらなかった。

 

 「次はポムポムで映画に行きましょうよ」と先輩に話を持ち掛けると、「もうひとりは今回の件をややこしくした張本人だから一回休み。ふたりで行こう」とバッサリ言い放った。同じくわたしも極悪非道な人間なので、反論せず「ですね」と同調したのだった。